ぼくのなつやすみのよてい

学生時代にバックパッカーをしておくべきだったと30歳を超えて気づきました。初めての海外は、大学卒業後のインド。懲りてしばらく海外に行かなくなりました。英語コンプレックス。東京の田舎育ち。2016年6月、初めての一人海外旅行は台湾。2016年10月、2度目の一人海外旅行はイラン。 語学力がなくても何とかなることに気づき、そこからよく海外に行くようになりました。 リュックだけ持って、LCCで海外にいく弾丸海外旅行スタイルが好きです。

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トルコ・イスタンブールでぼったくりバーに行く。

トルコ・イスタンブールでぼったくりバーに引っかかってしまいました。

 

【概要】

①19時頃に、ブルーモスク近辺で出会ったキプロス出身という2人組みの男に、ぼったくりバーに連れていかれた。

②最初は夕飯代とタクシー代を奢ってくれた。

③2人組も夜のフライトで帰るという筆者と同じような状況にあり、空いた時間を一緒に過ごすことになった。

④ぼったくりバーは日本のキャバクラみたいなところで、ウクライナ人やロシア人がいる。

⑤日本円にして20万円近くを要求された。

⑥今現金がないなら、ATMでクレジットカードを使ってトルコリラを降ろせと言われた。

⑦走って逃げた。

 

【手口に引っかかった背景】

◯筆者はバックパッカーはしたことはないものの、イランやアフリカなどにも一人旅をしており、「旅慣れ」ているという慢心があった。

◯直接的に飲みに誘われたというより、道端で偶然を装ってぶつかり、同じように旅中の身であるように振る舞うなど、劇場型の詐欺であり、警戒心が緩んでしまった。

◯筆者は英語での会話を苦手としており、「たまたま」「旅中」で出会った外国人と、自然と「英語」で会話できていることに舞い上がっていた。

 

【教訓とすべきこと】

◯海外では、日本語で話しかけてくる外国人のみならず、英語で話しかけてくる外国人にも注意

◯「いいひと」は基本、いない

◯海外では、その場で知り合った人と一緒に飲みにいかない。万一、行くことになったら、店はこちらでセレクトする

◯カンナムスタイルで、踊らせようとしてくる外国人は詐欺師率が高い

◯逃げ足は重要なので、日頃のジョギング等運動は欠かせない

◯英語では、相手のペースになるので、意図的に日本語で話して、自分の感情を正確に表現するとともに、こいつ何言ってるかわからないめんどくさいという状況に持ち込む。

 

 (参考)カンナムスタイル


PSY - GANGNAM STYLE (강남스타일) @ Seoul Plaza Live Concert

 

 

(以下、詳細)ーーー

 

記憶が新しいうちに書いておきます。

(逃げおおせた後の帰路に向かうイスタンブールの空港で執筆しました)

 

「イスタンブール ぼったくりバー」でググると、同じような案件がヒットしますので、典型的な手口なのでしょう。私はイスタンブールについては事前に何も調べなかったこと、現地でSIMカードが作動せず情報へのアクセスが貧弱だったこと、また、直前まで訪れていたのが西アフリカであったことからそれに比べると発展しているトルコでは気が抜けていたことがぼったくりバーに行ってしまった理由なんでしょう。
ググった記事を見るに、実際に支払ってしまった方もいるようですが、私の場合は、結論から先に申せば、最初87000リラ(27万円)要求されたものの、走って逃げ、一銭も払いませんでした。フライトの時間も迫っていたりしたので、焦りもありまして、恐怖は人一倍でした。

 

さて、経緯を説明します。西アフリカ諸国を訪問した後、トランジットで半日時間があったので、トルコ出国し、イスタンブール観光を楽しみました。電車も使いやすく、食事も美味しい。サウナ好きの私にとってはハマムというトルコ式のサウナもお気に入りで、正直、アフリカに行ったことよりもイスタンブールが一番楽しい気すらしてました。

 

日本への帰りの便が夜中の1:40で、ぼったくりバーに連れて行く2人と会ったのは、19時くらいで、さてどうやって時間を潰そうと思っていた時でした。場所はブルーモスク近辺。2人に声をかけられたのは、道を歩いている時にぶつかってしまったからで(今思えばこれもわざとだったのでしょう。)
2人ともキプロス出身とのこと。イナモト知ってるか?トルコのリーグでプレーしてたんだぜ、何時に帰るの?お、おなじくらいじゃないか?(今思えば、この人たちはイスタンブールから1時間くらいのフライトのキプロス出身とのことですので、私のような深夜便はないはずですね)お腹減ってるかなんか?食べようぜみたいな感じで話しかけてきました。実際私も時間を持て余していたので、一緒にマックに行きました。そこでは2人に奢ってもらいました。その後飲みに行って時間を潰そうぜとなったので、同じタクシーに同乗しました。さっきのマックは奢ってもらったから、ここのタクシー代ははらわせてくれよと申し出ましたが、いいんだいいんだ?まあ、ドイツ式にシェアリングしよう(この言葉がぼったくりバーでこいつらが請求してきた布石になりました)と言ってきました。あと、今思えば怪しいと思ったのは会話の中で1人はキプロスでホテルを経営している(28歳)、もう1人は大学院で数学を研究していてもうすぐ大学の教授になる(ドクターはいかないの?と聞いたら、マスターでたらなれるんだと言いやがってました。)かつ親父が金持ちと言っていたので、それなりにお金と地位があることと見せかけて相手を安心させようとしたのでしょう。ちなみにこいつは数学の分野で何の分野を研究しているの?と聞いたけど答えられていませんでした。


タクシーに乗って連れていかれたのは、とあるお店。2階にいくと、そこはキャバクラ的な女性を侍らせてお酒を飲むスタイルでした。まじかよ、キャバクラなんか来たのは初めてだよ、しかも英語話せないからよりハードル高いぜ、でもこいつら奢ってくれそうだから飲むぜと息巻いていた私は哀れでした。案の定、すぐに疲れました。日本でもフツーの世間話的な会話に困るシャイな私ですので、海外で、英語で、しかもウクライナ人2人と、ロシア人1人の訛りのある英語で話すのは至難のわざで早く帰りたいとずっと思ってました。が、飲んで、勢いで、カンナムスタイルや、阿波踊り、コサックダンスをステージで踊ったりしてそれなりに気を使って場を盛り上げました。ここうるさくて嫌だから店変えようぜというと、例の自称数学専攻の院生キプロス人ちょっと来いと言われ、一階の外でタバコをもらいながら話すと、空港の近くにはここしか店がないんだよ。だから、ここでもう少しいようぜとなりました。冷静に考えれば、結構充実しているアタチュルク空港なら酒を出す店の一軒家二軒くらいありそうなものですが、私も多少酔っ払っていたので、そんなもんかなと思ってしまいました。


ある時店員がクレジットカードを見せてと言って来ました。連れのキプロス人も見せていたので、私も見せました。ただ、若干の危険を察知して、トルコでは使えないであろうJCBのカードだけ見せました。これも今思えば、後ほどクレジットカードで支払いをさせるための、あの時カード持ってたよな的な布石です。
今から思えば2人のキプロス人はほぼ交互に席を外していました。一応、片方がタバコを吸っていることにしていたのでしょうが、2階と1階の出口それぞれにいることで、逃げられないように見張っていたのでしょう。


さて、いよいよ帰ることになりました。チェックを2人で確認をしに行こうと、自称院生キプロス人と2階の奥の場所に連れていかれました。当然、こいつ払ってくれるよね的な感じでついて行ってる私も馬鹿ですが、会計を見て、びっくりしました。17400リラ。数字に疎く、ましてやリラの相場があまりよくわかっていない私でしたが、これは明らかに高い気がします。慌ててiPhoneのアプリで調べると、約55万円。助けて的な目でキプロス人を見ますが、無視されて店員がお会計は割る2の8700リラ、およそ27万円ですと提示して来ます。すわこれはぼったくバーやんけーと今頃気づく私。とりあえず払いたくないな、どうしようと焦りました。金ないんです、て助けてよというと、俺、学生だからと言ってきます。お前の親父は金持ちなんだろなあ頼むぜと言いますが、無視されて、「君、酒飲んだよね?払えないってどういうこと?」と店員が脅し目で言ってきます。あ、とりあえず3人で割って、5800リラだね。だって前に言ったじゃん、俺はドイツスタイルで割り勘にするって、とキメ顔で言ってくる自称院生キプロス人。ここで、マネージャーというべき人も登場。この手のぼったくりの常套の手段なのだろうか。とりあえずバックの中身見せてと言われ、JCB以外のマスターとVISAのクレジットカードバレたらやばいと隠しながら見せましたが、バレました。しかも、隠している時にクレジットカード壊しちゃおうと、財布をとともに真っ二つしていたこともバレて、何だこれは?壊そうとしやがったなさらに逆上される始末。ちなみにそこまでクレジットカードは折れ曲がっていませんでした。なぜこんなことをしたというので、お前が威圧的にしてきたからビビったんだろ!的なことを英語で返す。ビビったがわからないので、お前が怒ったから、俺も怒ったんだろ!みたいな英語になっていたと思います。とりあえずクレジットカードを全て取り上げられて焦る。どうしよう、とりあえずここで切っちゃって、後でクレジットカード会社に電話してこれ脅迫された状態なんで勘弁してくださいなと言おうかなと思ったりもする。ただ、向こうはATMで金おろせ、一緒に行くからと言ってくる。お、これは実はこの店ではクレジットカードでは支払えないシステムなのかなと思ったりもする。ただ、クレジットカード通していいかと言われ、はいと言ってしまうが、マスターカードは認識されなかった。VISAも認識されなかった。おいお前が壊したから使えないじゃないかと言われ、ATMで降ろしてもらうからな、いいな?と言われる(あとからクレジットカードを見たが、この2つはほとんど折れてなかったので、これははったり。最初からATMに連れて行く手段だったのか)。とりあえず粘ってクレジットカードを返せと言っていたら、クレジットカードを全部返してもらえて、今度はドルとユーロは預かっておくからなと言われ、そしてまたゴネて、粘ってまた返してもらえた。この時点で、向こうにはなにもわたっていない。さあ行くぞと言われ、タクシーに乗せられそうになる。ここで覚悟を決めた。走って逃げた。超久しぶりの、超全力疾走。高速道路的なところに逃げこめば人目につくので誰か助けてくれると思い、入り込む。ただ、後ろを振り返ったが、追ってきてなかった。なるべく離れようと疾走を続ける。タクシーとか止まってくれ的に手を振りながら全力疾走をする私。この姿も十分怪しいのが、そんなことはかまってられやしない。途中、バンが止まりかけて、ヘルプミーと言ったが、わかったじゃあといって車を出されてしまった。

 

もう少しお願いします的な感じで手を上げて走ってたら、タクシーが止まってくれた。乗り込んで、100リラを差し出し、助けてくれ、騙された、高額な請求をされていて追われている、空港で待ち伏せしているかもしれないから助けて欲しいとゼイゼイしながら言う。任せとけ、俺はプロだ。頼もしい運転手。あんたはいい人だ。頼むぜ。気持ちで60ユーロも追加で差し出す。この運転手に一万円くらい払ったわけだ。私はこの時、酔っていてかつテンパった挙句に、全力で走っていたので、吐き気を催していた。ただ、今冷静になってこの運転手の言動を振り返ると、最初の100リラを差し出したあたりでは、こんなお金いいのか、多すぎるぞといっていたくせに、60ユーロを差し出したあたりから、うちには3人の子供がいるんだよね。お金足りないな。あと、23時だけどお腹が空いちゃったよ的なことを言っていて、その時も薄々こいつ調子に乗ってきたな、でも空港でぼったくりバーの奴らがいたら、助けてもらわないといけないからよくわからないふりをしようと思い、はいはい、大変だよね。俺も大変で、とりあえず出国するまで付き添ってねと繰り返しあなたの話は聴ける状況ではありません的なオーラを出しておいた。空港近くになると、出国乗り場はゲートがあるから、大丈夫だ、と言っていたが、単に荷物検査だけで誰でも入れる。そんなことをつゆしらない私はそう言うもんか、まあここでお別れだけどありがとうと心の中で告げて、出国乗り場へ。ここは荷物検査だけで誰でも入れることを知り、出国審査を済ませるあたりまでいけばなんとかなるだろうと駆け足で向かう。ここも振り返ると、ぼったくりバーの連中はぼったくりだから、正々堂々とは請求できないため、空港まで来たりはしなかったと思う。ちょっと待たされたが、出国審査を無事に済ませる。

 

よし、これで大丈夫。最後にネタができてよかったと思うやいなや、酒酔いと全力疾走の時の吐き気がぶり返し、トイレで吐いた。ちょっとスッキリして、ネットの繋がるラウンジに行って一息つく。

 

ラウンジのカードも、折り曲げの被害にあっていて(と言っても自分で折り曲げた)、ちょっと曲がってしまったが、何とか読み取れた。Wi-Fiに繋げられたので、「イスタンブール、ぼったくりバー」で調べるといくつかヒットする。今回のと手口が似ていた(2人組みの男でキプロス出身、バーの女性はウクライナ出身で英語に訛りがある)ので、かつ実際に支払ってしまった方もいるようなので、私も次なる被害者を出さないように事例を報告することを決意。この文章を書くに至りました。